07/05
Wed
2006
《 カレー編 》
もうハンバーガーは食い飽きた。
コンビ二弁当もまっぴらだ。
そして絶食には耐えられない。
俺はついに決意する。
「よし! 自炊だ!」
忘れていたわけではないが最近を俺は全然自炊をしていなかった。
それでも材料を探し、できそうな料理を検討するが、これはすぐにカレーに決定。今日の昼ごはんは学食でカツカレーだったことなど、五秒で記憶から抹殺だ。
さあまずは何をすべきだ!?
俺はまずジャガイモの皮をむき、たまねぎを切り刻むことにした。
手にジャカイモを乗せ、包丁を当てて横スクロール。
「痛てっ」
ちくしょう芋の分際でこの停識様に楯突くとは、許せん。
殺して解して並べて揃えて晒してくれるっ!
ダダダダダー!
アタタタター!
ハッ!?
「しまった……」
気付くとまな板の上のジャガイモは細切れになっていた。
気を取り直そう。
次は鍋を磨かねばならない。
がっしりこびりついているコゲを取るのだ。
そういえばオレが何故長く自炊を止めていたかをやっと思い出した。
そう、事は一月前。俺は消滅したと思われていたまずいカレーを作ってしまったのだ。初挑戦したキャベツカレーに、見事に返り討ちにあった。 そのトラウマだったのだ。決して面倒くさがっていたわけではない。
なかなか汚れは落ちないが大丈夫。この日のために買ってきた秘密兵器を投入だ。
俺は洗っている鍋に調味料の酢をダバダバ入れる。
これぞオフクロの知恵袋よ! ウハハ消えろ汚れども
しかしここで俺は思わぬ反撃にあう。
手に感じる鋭い痛み、痺れ、思わず
「くお~~~~~」
とか叫んでしまっている。
しみる! しみるぞ!
さっき怪我した中指の付け根に酢の刺激が!
ひ、ひぃ~~~
さらなる痛みが俺の指を襲う。
しかし負けるな停識! 頑張れ停識! お前はカレーを食うのだろう!
なんとか洗うのを終え、野菜を入れて水を入れて鍋を沸かす。
前回はここで失敗した。
まだ野菜も煮えていないうちからルーを入れ、しかも混ぜなかったために底の方は焦げ付き、上は生煮えになっていた。
だからここは気をつけなければならない。
細心の注意を持って煮込むぜ!
グツグツグツグツ
野菜が煮えたらルーも入れて
グツグツグツグツ
ここで素人考えで隠し味を入れないのが失敗しないコツだ。
とろみが出てきたところでちょいと味見をする。
「ま、まずくない……まずくないぞー!!」
決して上手くはないが、まずくもない。
やった。
俺はやったよ。
闘争に勝った! 勝利を手に入れたんだ!
さぁあとはコイツを皿に盛れば完成だ。
「はっ!」
大皿を出している段階で俺は大変なことに気がついた。
重大な失態だ。
手が震える。
歯がガチガチと鳴り出す。
「し、ししししししししししししししししししし……
しまったー!! 」
俺はご飯を炊くのを忘れていたのだった。
本日の戦績、敗北。
総合戦績、0勝1敗。
応援、ありがっとう!!
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